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フランス料理になったイタリア料理(3)

先月ののんとろっぽ日曜俱楽部、

「フランス料理になったイタリア料理」、大変好評に終わりました。

ありがとうございました。

ざっくり内容をお伝えしたいと思います。

第2のコース(温かい料理)から続けます。

ものすごく金持ちの場合は(笑)

コースとコースの間にもちろん演奏、例えばマドリガーレや

(客人ももちろんダンスしたりします.こんなかんじ。↓↓)

お芝居などもしくはコスプレしてギリシャ神話の体で宴を楽しんでいました。

「間の時間がないと女の子と話すチャンスがないじゃないか!!」と嫌がられたそうです(笑)

のんとろっぽは嫌がられてもこのまま次の料理のコースへ進みます(笑)

フランス料理になったオニオンスープ

Zuppa Carabaccia ズッパ・カラバッチャ

実はみんなが思うオニオングラタンスープもカテリーナが運んだものでした。

トスカーナも赤玉葱産地なので今回はイタリア風の赤玉葱を使いました。

バターでじんわり玉ねぎを炒める・・・・。

これは作っているうちに気がついたんだけどイタリア料理の火入れの仕方の一つ、

sofrittoソフリットと呼ばれる調理法です。

少し多めの油分(この場合はバター+オリーブオイル)で野菜に汗をかかせるような感じで

ゆっくり炒める方法です。

そして例の調味料、アグレストも入れます。

玉ねぎのとろりとした甘さに華やかなブドウの香りと酸味できりっと立った味になります。

そして古いパンにチーズとシナモンシュガーをかけて

オーブンで焼く。

見た目は全く現代のオニオングラタンスープと一緒!

この時代にはフランスでは野菜料理がほとんど食べられていなかったこと、

バターや砂糖が使用されていなかったことがさらに

この料理の与えた影響の大きさを感じます。

思っているよりアグレストのおかげか、

シナモンシュガーもなじんで一体感があり、酸っぱいとかあま~い!!とかありません。

とてもおいしかったです。

おばあさんのハンカチ

Pazzolle della nonna con salsa collaパッツォーレ・デッラ・ノンナ コン サルサ・コッラ

ベシャメルソースをかけたクレープのオーブン焼きです。

これはカテリーナは結構好きだったみたいです。

幼少期に過ごしたムジェッロ(フィレンツェの近く)からの

乳母?料理人?が作ってくれていたようです。

そこから「おばあさんのハンカチ」って名前が付いたのかも。

まずクレープについてですがイタリア語でクレープはCrespelleクレスペッレ。

Cresは縮れたという意味。pelleは皮のことを指します。

あれ?しわしわの皮で「おばあさんのハンカチ」?

かもね。

そしてベシャメルソース。

今ではそう呼ばれていますがこれはトスカーナが起源とする話と

シチリア、ローマを起源とする話とあって、定かではありません。

ですがフランスでベシャメルソースができる前から

このソースはすでにイタリアにあったことは確かです。16世紀ですからね。

フランスにおいては17世紀に入ってから

太陽王子ルイ14世の料理人が発明したことになっていますが(笑)

ルイ14世のおばあちゃんも同じメディチ家の出身です(笑)

salsaはソース。collaはつなぎ、という意味です。

基本的には今と同じような作り方なんですが

フランス料理人が見たら卒倒しそうな作り方です。

粉もどばどば投入(笑)して温めてない牛乳もどんどん入れます(笑)

でもこの作り方が親密さとやさしさを兼ね備えたおいしさなんだと思います。

(メディチ家の子孫で料理研究家のLorenza di Mediciおばあちゃんの動画をご覧ください。↓↓)

クレープは中身はほうれん草とキノコを炒めたものですが

この作り方も面白く、ゆでてから刻んだほうれん草ときのこを

やはり水分をゆっくり飛ばすように炒め合わせます。

同じ作り方で今でもトスカーナではラビオリの中身を作ったり、

それをリコッタチーズと少量の小麦粉でつないでごく軽いニョッキに仕立てたりします。

ちなみにそのふわふわニョッキは今のんとろっぽでお出ししています。

そして

鴨のオレンジソース。

Papero alla melaranciaパーペロ・アッラ・メラランチャ

この料理についてはパリの3つ星シェフ、

エリック・ブリファーもイタリアから来た料理だとおっしゃっていました。

当時は肉の中では四足動物より鳥類のほうが「天」に近く高尚な食べ物とされていました。

鴨じゃなくて本当は若いガチョウだったのですが

予算の都合上鴨に変更。

そしてmelaranciaは橙の事なんですがこちらも時期が合わずオレンジで代用。

出汁は入らずどんどんたっぷりの果汁で煮詰めるんですが

これがまた、オレンジと鴨の肉汁が一体化してほんとうおいしい!

タイムなどイタリア人にとって身近なハーブをつかっているのも

ルネッサンスに入ってからの事です。

そして「フランス料理になったイタリア料理」(4)へ続きます~

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